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eコマース事業のインフラ
―まず、簡単に御社の事業内容を教えてください。
小嵜:簡単に言うと、eコマース事業のインフラを提供しています。eコマース事業には、4つの要素が必要なんです。まずは、「商品」。いい商品というのは、絶対条件ですね。そしてその商品を売るための「システム」。売れるシステム、使いやすいシステム。あとは、「オペレーション」と「プロモーション」。この4つの要素があって初めて、eコマース事業というのは、成り立つんです。うちは、そのうちの商品を除いた3つの要素、つまり、システム、オペレーション、プロモーション、この3つの部署を持っているのが特徴なんです。この3つが、eコマース事業のインフラになる。この全てを提供できる会社というのは、今のところ、うちしかないんです。 |
「就職」と「就社」は違う
―学生時代は、どのように過ごしましたか?
小嵜:大学2年生のころから、ブリタニカ英会話教材の訪問販売をしていました。フルコミッション、つまり完全歩合制の会社だったので、いわゆる個人事業主という形で働いていました。訪問販売を始めたきっかけは、僕のところに、その会社の営業マンが、訪問販売に来たことでした。当時は、お金も人脈もなかったので、「カバン一つで稼げるこの仕事はいいな」と思ったんです。それで、その場で「僕もやらせてよ」って頼んだ(笑)。
訪問販売の仕事は、卒業してからも続けていたので、5、6年はやってましたね。大学4年生のころには、周りの友達から「就職活動しないの?」とよく言われました。けど、僕から言わせれば、周りがしていたのは、「就社」活動。僕は、その訪問販売で、飯が食べられていましたし、会社に入ることだけが、就職ではないと思っていたんです。今でもよく「そのまま就職しなかったんですか?」って聞かれるんですけど、これには答えようがない。「就社しなかったんですか?」と聞かれたら、「しませんでした」と答えられる。けれど、職業には就いて、飯が食べられていた。だから、僕は大学を卒業して、就職しなかったわけではないんです。
―訪問販売の仕事を辞めてからは、どうしたんですか?
小嵜:訪問販売の会社の先輩が、独立してパソコン教室を開くというので、その手伝いをしました。趣味でパソコンをやっていたんで、ある程度パソコンはできたんです。そこでは、営業をやったり、パソコン教室の先生をやったり、ホームページを作ったり、あらゆることをしていましたね。
その会社で、今で言う「eラーニング」つまり、インターネットを通じて教育できるシステムを作って、売り出したんです。これは、結構ヒットして、すごく利益を出しましたよ。その会社は今でも続いています。
感動のプレゼンテーション
―いまのエムグロースを立ち上げたきっかけは、何だったんですか?
小嵜:28才のころに、関西で有名なディスカウント店で東証2部上場の「ジャパン」の店長と仲良くなったんです。それで、ジャパンが、「これからはIT系の人材教育に力を入れていきたい」と言っているのを耳にした。それなら、僕はパソコン教室をやっているし、「一度お話しましょうか」ってことになったんです。
忘れもしない「海の日」の7月20日に、役員も含めて5、6人の方とお会いした。当時、プレゼンテーションにすごく凝っていたので、3部構成の1時間半ぐらいかかるプレゼンテーションをしたんです。エンドロールまでつけて。それはもう超大作ですよ(笑)。これは本当の話なんですが、プレゼンテーションが終わって電気をつけたら、大の大人である役員の方が、涙を流して感動しているんです。それぐらいの感動巨編だった(笑)。
そして、プレゼンテーションが終わって、ご飯を食べていたら、「もう一回、プレゼンテーションをしてくれへんか?」と言われた。それで、もう一回やったんです。すると今度は、役員の一人が、ジャパンの桐間会長に電話をしたんです。「桐間会長、大変です! ヤバイことになっています! すぐに来てください!」と。すると、桐間会長も高速道路を飛ばして、駆け付けてきてくれた。それで、夜にもう一度、プレゼンテーション。1日3回上演。まさに映画ですよ(笑)。それがきっかけで、その桐間会長に、個人的にすごく気に入ってもらえたんです。その後は、いろいろとお付き合いをさせてもらっていました。
それで、ある日、桐間会長に誘われて食事に行くと、何やら数十ページもある分厚い事業計画書を渡されたんです。その事業計画書をペラペラとめくっていくと、なんと会社の代表取締役社長のところに自分の名前が入っていた。ジャパンとサンクスアンドアソシエイツ(現‥サークルケイサンクス)とソフトバンクBBが、資本金1億円でECサイトの新会社を立ち上げる。その会社の社長に就任してくれという話だったんです。僕は、事業が軌道にのったら辞めるという条件付きで、社長を引き受けることにしました。それほど、その事業がやりたかったわけではなかったんです。そこの社長は、1年半ほど務めて会社を黒字にしてから、約束どおり辞任しました。
そして今度は、商売の幅を広げるために、ITにこだわらず、自分で4、5社の会社を立ち上げたんです。そうこうしているうちに、本当に世の中に役立つ会社を作りたくなってきた。お金ではなく、自分の人生をかけて、勝負をしてみたくなったんです。それで、東京に立ち上げたのが、いまのエムグロースです。やるからには、世界No.1の会社を目指しています。
「行商」の経験はしておけ
―最後に、起業したいという学生へメッセージをください。
小嵜:「したかったら、したらええんちゃう」って感じです(笑)。まあ、頭の中だけでは起業できないので、まずは動けってことですね。考えている時間は、止まってるだけなので。
あとは、訪問販売、昔で言う「行商」の経験はしておいたほうがいいですね。だって、起業したいと言ってる人が、カバン1個持って、商品を売りに行って、売れないわけはないと思うんですよ。1対1で売るのは、商売の基本ですよ。それで売れない人が、組織力や技術力があったら売れるんかって言ったら、そんなわけはないと思うんですよ。だからこそ、「行商」で商売の基本を学ぶべきだと思いますね。 |
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